親の勧めで訳も判らずに入学した名古屋の専門学校。母親の付き添い付きで新幹線に乗って石川県の地元から学生寮の最寄り駅へと降り立った。春の芽吹きを嗅覚で感じとれた春も初旬だったあの日から、早くも一年とついで半年が経っていた。
就職に必須だと云われ、クラスメイト全員が一丸となり血眼にこの一年半ずっと勉強し続けてきた、電気系のとある国家資格試験の本番があと二カ月と間際に迫り、殺伐とした空気の中行われる、日暮れに塗れた補修中の教室にて。参考書に印刷された白地に黒のインクの隙間に、巣立つ前日に山に囲まれている地元の田舎が掲げた無数の星の瞬く夜空を見上げている自分自身を見下ろした。
あの日の僕は希望に満ち溢れた未来。楽しい日々を思い描いて、即興で自作した星座を指でなぞっていたように思う。
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